睡眠不足はNG

睡眠不足で頭がぼーっとするというような経験はだれにでもあります。気力体力ともに充実している若いうちなら、1日や2日徹夜でもなんとなるかもしれません。
ただし、睡眠は習慣的なものなので、体の無理が効かなくなってくると、不規則な生活がたたって不眠症に移行してしまうことも珍しくありません。
最近では、この不眠症が、直接的に健康に害を与えることもわかってきました。
目覚めている間、人の神経は「グルタミン酸」とよばれる興奮物質を出し続けています。実は、この物質が増え過ぎると、脳の神経細胞が壊されてしまいます。ところが、眠っている間は、グルタミン酸が減少します。
また、脳には、「グルタチオン」という物質があって、これはグルタミン酸の作用を打ち消すはたらきをしますが、このグルタチオンは睡眠中に生成されます。
不眠が続くと興奮物質の独壇場となり、それが不眠症をこうじさせ、自律神経失調症やうつ病を誘発する。また、ネズミを使ったある実験では、睡眠不足が続くと免疫の機能が衰え、かぜなどにかかりやすくなるという結果がでている。睡眠は食事と同様毎日のことなので、おろそかにしていると気づかぬうちに大きな病気を招くことにもなりかねない。頭がボーッとするだけでは済まされないのだ。しかし、仕事やつき合いで忙しくて眠りたくても十分な睡眠時間がとれない人、あるいは眠る時間はあっても、寝付きが悪い人、熟睡できず寝た気がしないという人もいる。では、満足に眠るにはどうすればいいのだろう。一般的に、深い眠り(ノンレム睡眠) と浅い眠り(レム睡眠) の周期を、約九十分間で一回線り返し、これが五回繰り返されれば(七時間半ぐらい) 心地よい目覚めが訪れるとされている。さいきんになって、この眠りの周期に、体温の変化が深く関係しているという説が出てきた。その説によれば、眠りたいという欲求は、体温が下がり始めるのに従って起こる。体温が最も低くなった時が一番深い眠りについているときだ。ぐつすり眠れるという人は、明け方近くにもっとも体温が低くなっているという。自分の体温をこまめに測定し、体温が下がりだす時間を割り出して、眠りにつくようにすればいいということになります。また、1番低くなる時間からそれ程時間を置かずに(だいたい二時間後ぐらい)起きるようにすれば、無理なくよい眠りを得られるはずです。
眠りは奥が深く、個人の性格にも関係しています。積極的、社交的な人は、短い眠りでも十分な満足感が得られるといい、長時間睡眠を必要とするタイプは、慎重で落ち着いている人が多いのです。
「満足な眠り」といっても、個人差があるため、何時に寝て、何時に起き、何時間寝ればベストと断定することはできません。ただ、心地よい眠りを得るための環境づくりや眠りを妨げないための方法はあります。
まず、寝具は硬めで、かけ布団は軽いほうがいいでしょう。寝室はゆったりしているのが理想的です。また、眠る前にお茶やコーヒーなど、カフェインを含む飲料水は避ける。アルコールに弱い人は、寝酒も避けたほうがいいでしょう。血液中のアルコール濃度が高まると、酔い覚め際は寝つきが悪くなってしまいます。また、眠りの質が変わり、ノンレム睡眠が少なくなってしまいますこうした注意事項に加え、精神的にリラックスすることも重要です。

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副交感神経が優位になり入眠前にリラックスモードに入ることができます。

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