脳はリラックスしているとβ-エンドルフィンというホルモンが分泌されます
脳から分泌されるある種のホルモンが、若さを保ったり、病気を防いだりする効果があるとして話題を集めました。そういったホルモンは、プラス思考で前向きに生活している人の体内に生じやすいこともわかっています。心の持ちかた1つで、病気がちにもなれば、健康体で長生きすることもできるのです。たとえばいつも元気で笑顔で活発な人を見るとこちらまで元気になるような気がしてしまいます。脳から分泌されるホルモンには何種類かあります。緊張したり、怒ったり、強いストレスを感じたりするときに出るのは、ノルアドレナリンというホルモンです。このノルアドレナリンは、病気の発症を促し、老化を早めるはたらきがあります。逆に、リラックスしているとき、おいしいものを食べたり、楽しい気分のとき、脳からはβ-エンドルフィンというホルモンが分泌されます。このβ-エンドルフィンは、脳細胞を活性化させるほか、体の免疫力をアップさせます。細菌やウィルスになどによる病気は、「大丈夫、すぐ元気になる」と前向きに考えてみても、生理学的にすぐに回復するというわけにはいきません。風邪をひいたらおとなしく寝ていなければ回復しません。しかし-エンドルフィンは、免疫細胞を活性化するため、こういった病原菌にも抵抗力をつけることができるのです。非常に有名な実例ですが、アメリカの大学で、心理学者がエイズ患者を対象に「性格と免疫」の関連テストを行ったときも、自分の殻に閉じ込もりがちな患者と、前向きな患者とでは、白血球の数に大きな差が出ました。消極的な患者の白血球は減っており、前向きな患者の白血球は増加していたというのです。また、ごく身近な例でいえば、職場や学校で、やる気を感じられない人程、インフルエンザに感染しやすいものです。幸せな結婚をしている女性程、病気に関する免疫力が強いなどというデータもあるほどです。β-エンドルフィンには、ほかにも有効なはたらきがあります。仕事や勉強などにバリバリ取り組んでいるとき、脳からはドーパミンというホルモンが出ています。ドーパミンは、やる気を起こさせるホルモンだが、無理して出しすぎると、エネルギーを消耗しすぎて健康にはかえって逆効果という難点があります。有名な芸術家や、成功する実業家は、ドーパミンが過剰に分泌しているといわれますが、このドーパミンの分泌もβ-エンドルフィンで節約することができるのですβ-エンドルフィンは、ドーパミンのはたらきを何10倍にも高めます。つまり、ごく少量のドーパミンで、それ程エネルギーを消耗せずに意欲的に活動することができるのです。。明るい気持ちで前向きに生活すれば、それだけで病気を防いだり、がんばりがきいたりするということです。逆に、暗い気持ちで毎日を過ごしていれば、病状を悪化させたり、体を壊してしまったりすることになりかねないのです。孤独なお年寄り程ボケやすかったり死亡率が高いというが、そういったことも、心持ちの問題と切り離しては考えられないわけではないはずです。「病は気から」とはむかしから言われる言葉です。全ての病気にあてはまるわけではないとしても多くの場合まさに文字通りの結果となりそうです。