ご飯好きの日本人は糖尿病を増やしてしまう食習慣

糖尿病の合併症は、失明、透析ガン、ボケなど危険因子ばかり

糖尿病の患者数は増える一方

糖尿病は多くの日本人が悩む生活習慣病の1つで、その患者数は年々増加の一途をたどるばかりです。厚生労働省の「国民健康・栄養調査」によると、糖尿病が強く疑われる人の数は約2000万人、糖尿病の可能性が否定できない人から予備軍まで合わせての数ですが、20%以上となるとこれは深刻な問題です。中高年のおよそ3人に1人が糖尿病に悩んでいる計算になります

そもそも糖尿病は、血液中のブドウ糖(血糖の量を示す血糖値が異常に高くなる病気です。糖尿病の直接的な引き金は、血糖を調節するンスリンというホルモンの分泌が低下することで起こります。インスリンは、すい臓のランゲルハンス島と呼ばれる組織のβ細胞から分泌され、血糖を筋肉の細胞に取り込ませて消費を促したり脂肪細胞に蓄えたりして、血糖値を一定に保つ働きを担っています。

このインスリンの分泌がなんらかの原因で低下すると、血糖値の高い状態(高血糖)が続いて糖尿病になるのです。

なお、長年、炭水化物を多く摂ってきた高齢者では、インスリン抵抗性を起こさずすい臓のβ細胞が疲弊して糖尿病になるケースがあります。また、カーボ・ローディング(炭水化物を運動前になるべく多く体に蓄積させる食事法を行って、炭水化物を大量にとる習慣のある運動選手にも、インスリン抵抗性を経ずに中年で糖尿病を発症する傾向が見られます。

神経・目・腎臓に怖い合併症が起こる

糖尿病は先天的な1型糖尿病と、後天的な2型糖尿病の二種類に大別されます。このうち、日本人の糖尿病の95%を占めるのが、2型糖尿病です。そして、やがて、本格的な糖尿病や合併症を発症することにつながるのです。

体質的に糖病を招きやすいという誤解

ところで、日本人は、欧米人に比べて肥満率が低いのに、糖尿病の発症率が高い人種です。みなさんの中にも、やせ型だったり少食だったりするのに、糖尿病にかかったという人がいるのです。

この理由について、「日本人は欧米人北触ぺて体質的にインスリンの分泌が少ないため」「日本人は遺伝的に糖尿病になりやすいため」と説明されることがあります。

しかし、この考えは間違いであることがわかりました。そもそも、このように考えられたきつかけは、1989年に発表したある糖尿病の論文に掲載されていた、米国白人と日本人のインスリンの分泌量を比較したグラフがきっかけでした。このグラフは、あたかも日本人に比べて米国白人のほうがインスリンの分泌量が多いことを示すものに見えます。

ところが、実は、このグラフの根拠となった研究を調べると、米国白人と日本人で、ブドウ糖を摂取した量がそれぞれ違い、米国白人はブドウ糖を100グラム、日本人は75グラムを摂った場合のインスリンの分泌量を示したものでした。つまり、このグラフが示すインスリンの分泌量の違いは、人種の違いではなく、ブドウ糖の摂取量の違いにすぎなかったのです。

このグラフが長年にわたり多くの医師の目に留まった結果、「日本人は遺伝的にインスリンの分泌量が少なく、糖尿病を招きやすい」という考え方がひとり歩きしてしまい、専門医さえもそれを信じるようになってしまったのです。

なお、欧米人と日本人で、インスリンの分泌能力に違いを生じさせる遺伝子も、実は見つかっていません。

こうしたことから、日本人に糖尿病が多発する原因はただ1つ、糖質の多い主食を欠かさず食べる「糖質のとりすぎ」にあるのです。

簡潔に言うと食べ過ぎということです。

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