「ごみ箱」の上で右クリックして「削除」を選んだ際にファイルはどこにいってしまうのか?

ファイルの救出方法を知識として知る前にまずファイルが削除される仕組みを見ていきます。仕組みを理解することでファイル救出方法をしっかり知識として応用できるようにしましょう。

「まさか!」の時は今回だけでなくまた次回もやってくる場合が多い

そのためにも知識として理解しておくと次からは「どんと構えて」対処できます。

不要になったファイルは、削除するにはアイコンをごみ箱へドラッグするかツールバーの「削除」ボタンをクリックします。消したファイルは、いったん「ごみ箱」に格納されます。「ごみ箱を空にする」を実行した時点で削除されます。

ごみ箱のアイコンを見ると、ファイルが入っているときと「ごみ箱を空にする」にしたときのアイコンが異なるのがよくわかります。ごみ箱に書類のようなものが見えるときは、ごみ箱にファイルがある状態。ダブルクリックで開いてみると、ファイルが表示されます。もし誤って削除してしまったファイルがあれば、アイコンを元の場所にドラッグすれば、ファイルは元通りに復活します。

逆に不要なファイルであれば、メニューバーの「ファイル」→「ごみ箱を空にする」をクリックします。これで完全にファイルは削除されます。ここまでの作業を行ってファイルを削除した場合には、Windows標準の機能ではファイルは復元できません。

ごみ箱に格納されずに即削除されるファイルもある

「ごみ箱」はハードディスクの中にある特殊なフォルダになっています。「マイコンピュータ」からごみ箱」を見てみると、標準状態では表示されないシステムになっています。フォルダオプションを変更すると、「ハードディスク」の中に「RECYCLER」と言うフォルダが出現して、デスクトップ上では「ごみ箱」として表示されているのです。

ごみ箱に一旦格納されずに即、削除される場合は次のような場合です。

ごみ箱フォルダは、最大サイズが設定されており、そのサイズの変更方法を紹介します。標準設定は、ハードディスク容量の10%までですが、40GB以上のハードディスクでも4GBより大きくなることはありません。

いずれにしても4GBはサイズが大きすぎですので、調整します。ごみ箱を右クリックし、「プロパティ」をクリック。画面中断のスライダをドラッグすることでファイル容量の上限を調節します。1GB程度となるように設定するのが適正値です。

ファイルが消える仕組み

本来は、ごみ箱を空にした後に、ファイルを元に戻すことは出来ません。ファイル復活のための専用のソフトを用いなければ不可能です。どうしてこんなことができるのでしょうか? じつはごみ箱を空にしてもファイルが完全に消えるわけではないのです。

データ本体は残っているため、ソフトでファイルを復活させることが可能になるのです。ファイル復活の可能性を高めるために、ウィンドウズがデータを管理するしくみを理解しておきましょう。ウインドウズは「FAT」や「NTFS」という方式を用いて、ハードディスク上にあるファイルを管理しています。

「FAT」や「NTFS」 はファイルの管理情報とデータ本体を分けて別の場所に保存しています。管理報にはファイルの名前やサイズ、作成日時に加え、データ本体がハードディスクのどの場所に書き込まれているかが記録されています。

ハードディスクは「クラスタ」という小さな単位(1クラスタ= 数KB) に分割されているのですが、管理情報にはファイル本体の先頭のクラスタ番号が記録されています。

ソフトでファイルを開くとき、ソフトはまず管理情報からファイルのクラスタ番号を確認します。そして、そのクラスタ番号を手がかりにしてデータ本体をハードディスクから読み出してくるのです。

削除時に消えるのは、管理情報の一部

さて、ファイルを削除するしくみです。ごみ箱を空にしてもウインドウズは管理情報だけを消すだけで、データ本体には手を加えません。FAT の場合は管理情報の最初の一文字を消すことでファイルの削除ということにしています。

ファイル復活ソフトはこの管理情報を復元することで、削除されたファイルをを復元させています。ハードディスクをフォーマットしたときも同様です。管理情報の一部を初期化するだけなので、まっさらに見えるディスクからファイルを取り戻すことも可能です。(逆に、完全に消したいときは専用ツール(フリーソフト:完全削除)を使います。ほかにもハードディスクの不調でファイルが壊れたとか、ハードディスクがまったく読み出せなくなることもあります。これも管理情報が壊れているだけなら、ファイル救出ソフトで復元できる可能性があります。

全てのファイルが復元できるわけではない!

しかし、ファイル救出ソフトも残念ながら万能ではありません。一定の条件がそろわないとファイルを復活させることはできないのです。ファイルを削除して管理情報が消えると、データ本体が書き込まれているクラスタは空き領域として扱われます。次に別のファイルを保存すると、そのクラスタに別のファイルのデータが書き込まれる可能性があります。

こうなると管理情報を元に戻せたとしても、データ本体は別のファイルに置き換えられています。また、管理情報の部分もほかのファイルの情報で上書きされてしまう可能性もあります。

こうなるとファイル復活はあきらめるしかありません。大事なファイルを削除したときは、一刻も早く専用ソフトで復活を試みるべきです。時間がたつほどに復活の可能性は低くなっていきます。また、デジカメは機種ごとにデータ削除の方法が異なります。デジカメの機能で削除したメモリカードの写真ファイルはファイル救出ソフトでももとに戻せないことがあるので十分注意します。

データ本体を完全に復旧できなくしてしまう危険度の高い操作

データを削除してしまった後にこの4つは絶対に行わないように注意します。デフラグは、ハードディスクを最適化することでデータ復旧は絶望的になります。
ソフトのインストールは、プログラムファイルが削除データの領域に上書きされるためです。
メールやウェブの閲覧は、ハードディスクにキャッシュが書き込まれるためです。再起動は、終了時にソフトやOSの設定が書き込まれるためです。

超重要! ファイル消失に気づいたらすぐに救出作業にとりかかる

ファイルを消去してしまったことに気づいた場合は次の4つの手順を即行います。

  1. 救出ソフトを消失ファイルがあったドライブ以外から起動
  2. 消失ファイルがあったドライブを検索
  3. 検索結果から消したファイルを見つける
  4. 消失ファイルがあったドライブ以外に保存

ハードディスク はもちろん、フロッピーディスク やMO、USBメモリから専用ソフトで救出できる可能性があります(CD・RWやDVD・RWは不可能)。ただし、上の1~4の手順のように救出したいファイルを、救出ソフトのインストール自体で上書きしないなどの注意が必要です。

また、若干復元率は下がりますが、過去にウイルス対策ソフトで退治したウイルスも復元される可能性があるので、救出作業を行う際にはウイルス対策ソフトも起動します。救出作業でもっとも難しいのは、救出ソフトの検索結果から目的のファイルを見つけることです。削除の方法やNTFSかFATかにもよりますが、下の画面のように、一度消したファイルの多くは名前が変わります。ここではオンラインソフト「復元」で、ファイル救出の手順と発見のコツがあります。

FATでは削除したファイルは、もともと保存していた場所と、ごみ箱の2箇所から発見されます。「復元」の検索結果として削除したファイル名と同じ名前で表示されることもあれば、ファイル名の先頭が「$」マークがついて文字化けしていることもある。

NTFSのドライブを「復元」で検索した場合、ごみ箱から消したフォルダやファイルは、「Dd4」のように消す前とは全く異なる名前である場合がある。元のファイルを探しづらくなるのが特徴。

フリーソフト「復元」の使い方と手順

  1. フロッピーやUSBメモリに「復元」を保存

    削除したファイルがあつたドライブとは別のドライブにダウンロードする。Cドライブしかないときは、FDやUSBメモリなとに保存する。「resto428.exe」をダブルクリックし、保存したドライブと同じドライブに解凍。

  2. 消失ファイルあったドライブを選びファイルについての検索条件を入れる
  3. 解凍すると「resto428.exe」フォルタが作成されるので、フォルタをダブルクリックして聞く。「resto428.exe」フォルタのなかにある、「復元.exe」をダブルクリックして起動する。

  4. 検索した結果からごみ箱から消したデータを探す
  5. 検索の終了後、「空きクラスタをスキャンしますか?」といった画面が表示されるが、目的のファイルがみつかつていれば、「いいえ」をクリック。 削除したデータを選択して、[コピーして復元] を押す。

  6. ファイルが上書きされないように消失ドライブがあったドライブ以外に保存
  7. 「名前を付けて保存」画面が表示されたら、データがもともとあつた場所とは別のドライブを選択する。Cドライブしかないなら、FDやUSBメモリに保存する。保存するドライブを選び、 [保存] を押す。ファイルが大きいと復元に時間がかかることもある。

フリーソフト「復元」の使い方と手順

ファイル救出のコツ

拡張子からたどる

ファイル名は覚えていないが、ファイルの種類(拡張子)は、わかる!という場合は、手がかりとなる。ごみ箱から削除したファイルは、文字化けするが拡張子は変更されないので有効となる。ただしある程度は絞り込めるがはっきり判別できないため同じ拡張子のファイルを全て復元して確認してみる方法をとるしかありません。

意味不明なファイル名から目的のファイルを探す

条件をなにも設定せずに検索して、大量の検索結果を「更新日時」で並べ替える方法もある。更新日時とは最後にファイルやフォルダに修正を加えた日時のこと。新しく更新したものから並べ替えることができるので、ごみ箱から消す直前に作業していたファイルがみつかりやすい。拡張子で検索したデータを「更新日時」で並べ替えるというあわせ技もできる。

拡張子もわからない

拡張子もわからない場合には、「文字列」を空のまま検索する。大量に発見されるが、 一覧の項目名の「フォルダ名」をクリックして、フォルダ名で並べ替える。ごみ箱から削除したファイルは「フォルダ名」に、NTSFS で「RECYCLER」、FAT では「「RECYCLED が含まれるので、このフォルダ内から探し出すことができる。該当しそうなファイルをクリックで選んで復元し、開いて確認する。複数のフ7 イルを選ぶときは「Ctrl」キーを押しながらクリックしてもできる。なお、消してしまったフルダを救出するときはフォルダのアイコンを選択して、フォルダこと復元しなければならない。

有料のソフトを選ぶ

「復元」はフリーソフトだが、手順を間違わなければちゃんと復元できる優れたプログラムです。検索結果のフォルダの中にあるファイルはフォルダごと復元しなければ中身がわかりません。有料のソフトの場合、ソフト上でフォルダの中身が確認できるのが特徴です。
ファイル復元ソフト「ファイナルデータ」

パソコンの最新モデルを検索

ネットに接続するパソコンは最新モデルを使うのが鉄則です。少し安いぐらいで大事なデータが漏洩するほうが高くつきます。

ネットセキュリティー

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